事例 平成23年12月1日に父が長男に土地を金1,000万円で売りました。代金の支払い時期は、平成24年1月1日の一括払いです。
ところが、平成24年1月1日に父が死亡し、相続が発生しました。相続人は、長男と次男のみです。
平成24年10月1日に長男と次男は父の相続について下記内容で遺産分割協議をしました。
① 上記1,000万の売買代金については、長男、次男それぞれ500万円づつ相続する
② 長男は、次男に月々10万づつ売買代金を返済する。利息は付けない。
③ 長男の二男への返済金の合計額が400万円に達した場合には残額を免除する。
④ 長男は次男への支払の担保として自己所有の土地に抵当権を設定する。
本件事例のポイントとしては、長男の相続した500万円の貸金債権については請求権者と支払義務者が同一なので混同(民法520条)により消滅します。
また、次男が相続した売買代金500万の抵当権設定の方法です。
問題は、登記原因だと思われます。実務上、抵当権設定が行われるのは、金銭を借りた場合がほとんどですが、本件では「債務承認契約」を使用します。契約には「甲は乙に対し、本日現在、下記債務として金500万円の支払債務を負担しているとともに、これを以下の条項に従って弁済することを約し、乙はこれを承認した。」という感じにします。この契約は、契約書に貼る印紙税が一律200円と安いです。・
さらに、「長男の二男への返済金の合計額が400万円に達した場合には残額を免除する」との合意がありますので、債務承認弁済契約書にこの条項も入れておけば良いでしょう。
民法588条は「消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。」と規定しています。準消費貸借と言われている契約です。
消費貸借とは、金銭消費貸借が典型例ですが、お金を借りて、お金を返すというように同じものを返す契約です(民法587条)。本件では、売買代金の弁済ですので、消費貸借ではありませんが、民法588条にいう準消費貸借になります。
登記実務上、「準消費貸借」を原因とする抵当権設定登記を認めているので本件でも登記可能です。
しかしながら、準消費貸借は、契約書に貼る印紙税が通常どおりですので、本件では、2,000円となり、債務承認弁済契約よりも高額になります。
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