離婚による財産分与登記

この度、夫婦で離婚協議が成立し、離婚することになりました。離婚に当たって現在、住んでいる夫名義の居住用の不動産を財産分与により私が取得することになりました。注意事項について教えて下さい。

離婚後に所有権移転登記をできる限り早くすることが重要です。離婚届けを出してやっぱり登記は嫌だと気が変わると大変だからです。離婚届けを出す前に司法書士に相談して登記を申請できる状況にしていくことが重要です。その他、贈与税、譲渡所得税、不動産取得税についても重要でしょう。

当事務所の離婚による財産分与登記の流れ

①面談相談時に手続きの全般、必要書類、登記費用の概要などを司法書士が説明します。特に必要書類の収集方法などについて丁寧に説明致します。

お客様に必要に応じて税務署で事前相談をしていただいております。

②固定資産課税明細書又は固定資産評価証明書を事前に送付やファックスを受けます(代行の場合除く) 。

④当事務所が固定資産課税明細書又は固定資産評価証明書を元に登記簿などの事前調査します。

⑤登記費用のお見積をお客様に説明 離婚による財産分与登記の委任契約をします。預り金として、金5万円を預かります。

⑥離婚による財産分与登記の準備をし、登記を法務局に申請します。残金を受領します。

登記が完了します。お客様に登記識別情報などを引き渡します。

離婚による財産分与登記に必要な書類など

名義を移転する方 

①固定資産課税明細書又は固定資産評価証明書 ②登記済権利証・登記識別情報 ③印鑑証明書(3ヶ月以内)④実印 

⑤運転免許証等の等の本人確認できるもの

権利証、登記済証、登記識別情報がない場合はこちらを参照お願い致します。

名義の移転を受ける方

①住民票 ②認印 ③運転免許証等の等の本人確認できるもの 

※財産分与登記の登記原因証明情報、、委任状は当事務所で作成致します。

ケースによっては、上記以外の書類などが必要になることも多いので、注意してください。

農地法の許可 届出

原則として農地の所有権移転登記する場合には農地法の許可を受けなければなりません(農地法第5条本文)。 →許可書が添付書類になります。
例外 相続 取得時効など
市街化区域内にある農地については、農地を農地以外のものに所有権移転する場合は、農業委員会への届出が必要になります(農地法第5条但し書第6号) →届出受理証明書が添付書類になります。
 
当事務所が農地法の手続きを行うことはありません。

離婚による財産分与登記に必要な書類等の有効期限について教えて下さい

離婚による財産分与登記には、権利証などの書類が必要になりますが、有効期限は下記のとおりになります。

原則 有効期限はない

例外  印鑑証明書は、発行から3か月以内のものになります。固定資産評価証明書は、毎年4月1日に切り替えになります。

離婚による財産分与登記に使用する固定資産課税明細書又は固定資産評価証明書について

下記に注意お願い致します。

●毎年4月1日に切り替わります。例えば3月25日に取得した固定資産評価証明書は、4月1日は使用できなくなり、取り直しになります。

●所有者が取得する場合には、免許証等・印鑑、所有者以外の方が取得する場合には、委任状・印鑑・免許証等が必要になります。共有者の一部からも申請可能です。

●固定資産評価証明書は、市区町村(東京23区は都税事務所)等で取得することができます。

離婚による財産分与登記の前提登記

所有者の現在の住所もしくは氏名が登記簿上と異なる場合、前提登記として、住所変更登記、氏名変更登記などが必要になります。詳しくはこちらをお願い致します。

相続が発生している場合には、相続登記が必要になります。詳しくは、こちらで確認お願い致します。

離婚による財産分与登記と贈与税

財産分与の対象が社会通念上相当な範囲内のものについては、原則として贈与税の課税はありません。

ただ、分与された財産が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の価格やその他の事情を考慮してもなお多すぎる場合(多すぎる部分に課税が発生)や離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたとされる場合(財産分与のすべての財産が課税対象)には贈与税が課税される場合があります

離婚による財産分与登記と譲渡所得税

名義を移転した方には、原則譲渡所得税が課税されます。判例(最判50.5.27)は、「財産分与に関し、右当事者間の協議等が行われてその内容が具体的に確定され、これに従い金銭の支払い、不動産の譲渡などの分与が完了すれば、右財産分与の義務は消滅するが、その分与の消滅は、それ自体1つの経済的利益をいうことができる。したがって、財産分与として不動産等の資産を譲渡した場合、分与者は、これによって、分与義務の消滅という経済的利益を享受したものというべきである」としているからです。

譲渡所得税の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

要件を満たした離婚による財産分与登記には、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例があり、譲渡所得税が課税されない場合があります。

(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

(2) 売った年の前年及び前々年にこの特例又はマイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

(4) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日まで(注)に売ること。

(5) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の二つの要件すべてに当てはまること。

イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(6) 売手と買手の関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
 特別な間柄には、このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

適用除外

このマイホームを売ったときの特例は、次のような家屋には適用されません。

(1) この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋

(2) 居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使った家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

(3) 別荘などのように主として趣味、娯楽又は保養のために所有する家屋

 適用を受けるための手続き 

この特例を受けるためには、確定申告をすることが必要です。
  また、確定申告書に次の書類を添えて提出してください。

(1) 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]

(2) マイホームを売った日から2か月を経過した後に交付を受けた除票住民票の写し又は住民票の写し
 この除票住民票の写し又は住民票の写しは、売ったマイホームの所在地を管轄する市区町村から交付を受けてください。http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

不動産取得税

婚姻後に取得した不動産については、不動産取得税が課税されない場合が多いようです。

不動産取得税が課税される場合には、財産分与登記をすると不動産取得税が分与を受ける方に課税されます。

納める額

取得日における不動産の価格(課税標準額) × 税率 = 税 額

不動産の価格とは、実際の購入価格や建築工事費ではなく、次の価格をいいます。

▼土地や家屋を売買、贈与、交換などにより取得した場合

原則として、市町村の固定資産課税台帳に登録されている価格です。

なお、宅地や宅地に準ずる土地を平成27年3月31日までに取得したときは、価格が2分の1に軽減され、その額の3%になります。

登録免許税

登録免許税として、固定資産評価額の1,000分の20(100円未満切捨て)が課税されます。

離婚による財産分与登記 費用

司法書士報酬 金55,000円(税込)

不動産が10個、収集する書類10通までの報酬になります。

同一管轄で、一括申請2件までの報酬になります。3件以上の場合には1申請増加ごとに金11,000円(税込)の報酬が必要になります。

贈与契約書等の作成費用は含みます。

不動産が10個を超える場合、1つ増加ごとに1,100円(税込)の報酬が加算されます。

収集する書類が10通を超える場合、1つ増加ごとに2,200円(税込)の報酬が加算されます。

埼玉県内の出張料(旅費は別途必要)は含まれますが、埼玉県外に出張する場合には、別途出張料が必要になります(実際の出張伴わない郵送で処理する場合には、出張料は必要ありません)。

費用(実費)

登録免許税  固定資産評価額の1,000分の20

事前の登記確認費用  登記事項の確認 1不動産 332円 、公図 1通 362円 その他

完了登記事項証明書  1通 500円

小為替  1通 200円(送付による戸籍等の取得の支払方法)

住民票、戸籍の付票  1通 200円など

送料、交通費  実費

分筆などが必要な場合には、別途測量費用、土地家屋調査士の費用が必要になります

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