よくある質問 成年後見・保佐・補助・任意後見 成年後見人などに就任した場合、成年被後見人の財産を自己(成年後見人)の利益のために使用して良いのでしょうか。

成年後見などの制度は、本人(成年被後見人、被保佐人、被補助人、任意被後見人)のための制度です。例えば、本人の財産を成年後見人が自己のために使用することは、明らかに本人の利益にならず、損失になります。よって、質問は絶対にしてはいけないことで、刑法上の業務上横領罪に該当します。

このように、成年後見人などの背任行為を防止する一つの方策が、後見支援信託になります。

後見支援信託

後見制度支援信託は、後見制度における方(ご本人)の財産のうち、日常的な支払いをするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭と信託銀行等に信託する仕組みのことです。成年後見と未成年後見において利用することができます(補助・保佐はできません)。

信託財産は、元本が保証され、預金保険制度の保護対象にもなります。

後見制度支援信託を利用すると、信託財産を払い戻したり、信託財産を解約したりするにはあらかじめ家庭裁判所の発行する指示書が必要とします。

このように後見制度支援信託は、ご本人の財産の適切な管理、利用のための方法の1つです。財産を信託する信託銀行等や信託財産の額については、原則として司法書士等の専門家後見人がご本人に代わって決めた上、家庭裁判所の指示を受けて、信託銀行等との間で信託契約をします。

この制度は、日常生活に必要な金銭についてのみ後見人に使用できるようし、日常生活に必要のない金銭については、信託銀行等に信託されているので家庭裁判所の指示書がないと使用ですることができません。成年後見人等による本人の財産の横領が問題となっているための不正防止が目的の1つになります。

例えば、本人の日常生活に必要な金銭が月々20万とします。信託銀行から毎月20万が成年後見人名義の口座に入金されます。この入金された金銭を本人の日常生活に使用します。臨時に金銭が必要な場合には、家庭裁判所に指示書を発行してもらい信託財産から金銭の払い戻しをして使用します。日常生活に必要な金銭以外の金銭を信託することにより、日常生活以外の金銭の不正使用(横領)を防止することができます。

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